何故伝わらないか

2012年4月21日(土）

師　　夢石よ。お前はきのう何故自分の考えが他へ伝わらないのかときいた。

夢石　はい。お師匠様は相手は共鳴は大いにしたが、だからと言って、彼が独自で自己を発信しなかったと答えられました。

師　　そうだ。誰れにも、内在する無限の智慧の宝が在る。それが響鳴するのだが、それを、自分流に、自由に表現表出することができない。どうすればいいか。

夢石　あの手この手を打ちます。

師　　それで。

夢石　とうとう、腹立たしくなって、おこってしまいます。

師　　それも、お前のあの手この手の一つなのだろう。

夢石　はい。

師　　成功したか。

夢石　完敗でした。

師　　じゃろう。じゃろう。お前はコーチを持っていなかった。何んなら、もう一人のお前を前もって録音しておいて、それに伴奏させればよかったのじゃよ。

夢石　どうするんですか。

師　　アホか。「もうやらんでもええ」こう怒る訳だよな。それで、じっと相手が動くまで待てばいいのに、すぐにお前が動きはじめる。そりゃ恋愛でも商売でも、その手の駆け引きは、言うじゃないか。「あわてるなんとかはもらいが少ない」と。

夢石　はい。

師　　おしのっておれれんのか。しゃあないのう。しかし、それがお前の未熟というものであった。怒った後、「しっかりせいよ」ともう一人のお前が、相手の真相を引き出させるような励ましの言葉を常にシャワーのようにかけてやらねばならぬ。その演出が全くできていなかった。それどころかどんどん毒気を強め怒気を強めて攻め立てた。

夢石　和顔　愛語　讃嘆ですね。

師　　知っとるなら、そうせんかい。今からでもおそくない。